散策(後編)
用事も済み
自転車の籠にむぎを乗せ、
公園でのひと時を楽しむ人達の声を聴きながら
秋の気配が漂い始めた
ほんのりと寂しさを纏う柔らかな風と一緒に
2人と1匹の影は、脇の道を家へと歩き始める。
お花見やお月見の時くらいしか来た事は無いけど
こう・・緩やかな時間を過ごせるなら
公園というのも悪くないね。
次が何時になるかは判らないけど
また来よう。
暫くすると、
籠の中で揺られているむぎが顔を出し
鼻をしきりにヒクヒクさせている
どうも様々な匂いがするらしい。
しかも周囲をすごく観察している。
この後ろ頭がイイ
そういえば、そうだった
車に乗せた時も
自身は動いてないのに
周囲の景色が流れていく事に
興味深々&興奮気味だった。
今も、公園に居た時より生き生きしてる
なるほど、むぎは歩くの面倒臭い系かぁ(違
さらさらと騒めく木々の声
何かを伝え合う鳥達の囀り
足元から跳び立つバッタの音
叢の中で秋を唄う虫達の歌・・・。
それら全てと
風の中の様々な匂いに刺激され
全てが気になる様子。
そんなむぎの話に花を咲かせつつ
秋の気配の中、
歩を進める。
そして僕らは知っている
それらにも増して
もう君がお腹ペコペコなのを(笑)